【log】ジョシュアとレオと10

アークスシップ、ショップエリア。
多くの人が様々な表情で行き交う其処は、目前に控えたクリスマスの夜を、浮かび上がらせるかのように飾られていた。
中央広場には見目にも心が踊る巨大なツリーが聳えていて、その根本で、レオンローズは輝く明かりを眺めていた。
そこに、黒基調でファッションをまとめた、大柄な男が現れる。



ジョシュア ……レオンローズ。
ジョシュア ……すまん、待たせたな

レオンローズ (赤くかじかんだ指に息を吹き掛けていたが、ジョシュアの顔を見るなり、にこっと笑って)
レオンローズ ええ、少しね。私の輝きには劣るけれど、ライトアップが綺麗だから眺めていたわ
ジョシュア ……ああ、確かに(傍の飾り付けられたツリーを見上げて
レオンローズ ふふっ。あなたにも、こういった季節ものを楽しむ感覚が芽生えてきたのかしら
ジョシュア ……どうかな。だが…
ジョシュア 美しいものと、君を見比べて楽しんでいるのは、確かだな
レオンローズ あら。もちろん、比べて美しいのは私でしょうね
ジョシュア ……安心してくれ。君の勝ち越しだよ
レオンローズ …………当然よっ (つん、と赤らんだ頬のまま、顎を上げる)
ジョシュア ……ふ(僅かに笑みを零し

レオンローズ ……ああでも、ジョシュア。あなたもその服装、素敵よ。やっぱり黒似合うわね……
レオンローズ ふふっ。髪ももう少し整えてあげるわ。今度ね
ジョシュア ……その。今日、遅くなったのは
ジョシュア 何を着ていこうか、って……
ジョシュア ……気取りすぎちゃいないかな
レオンローズ ………… (ぱちぱちと何度か瞬いたあと、綻ぶ顔をジョシュアの腕に預けて)
ジョシュア ……ん?
レオンローズ ……ふふふっ……過ぎたことはないわ。似合っているし……
レオンローズ 頑張ってくれているのが嬉しくって……ちょっと待ってて頂戴……今、顔が……
ジョシュア ……いや。その顔こそ見たいね
ジョシュア ……頑張った俺に、褒美をくれ。ふふ
レオンローズ だめよ、これはだめ…… (くすくすと笑う肩が揺れて) 話題のコーヒーじゃだめかしら? 美味しいチューカ・スタイルとか
ジョシュア ……しょうがないな。ではコーヒーで手を打とう
ジョシュア …この冷たい手には、暖かいコーヒーが必要だ(レオの手を握り、両手で包み込むように
レオンローズ もう。それじゃあ、私へのご褒美も兼ねてしまうじゃない…… (くすくす体を揺らしたままだが、幾分いつもの表情(取り戻して顔を上げる)
ジョシュア こんなに冷たい手にさせてしまったお詫びだよ……さあ、ショップは?
レオンローズ ふふ、あっちよ (ジョシュアから見て、右方向を指さして) 地球で人気のコーヒー店から、ヒントを得たんですって
ジョシュア なるほどね……そういう文化は、取り入れるのが早いんだな…(レオの手を握ったまま、ショップの方へ

レオンローズ そうね。他の文化は……技術としてはずいぶん前の物だから、取り入れると言っても難しいでしょうけど
レオンローズ (握る手を返しながら身を寄せて) 味なら優劣も新旧もないしね。旧型の趣もそれは素晴らしいけれど
ジョシュア ふー、む……それは確かに。刀もな、旧式の製造方法で造られた品の方が……
ジョシュア ……っと。つまらない話だな
レオンローズ あら。戦いに身を置いているのに、武具の話がつまらないなんてことないわ?
ジョシュア …そうか?……まあ、そうだな…ふふ
レオンローズ ふふふ。それに、私だって刀に明るくないわけじゃあないわ。実際戦闘で使ったことはないけれど

ジョシュア えー、と……(コーヒーショップをぐるりと眺めて
レオンローズ (その横で、ラテ系のメニューを覗き込む)
ジョシュア ……あー、コーヒーを二つ。ええと…(問うようにレオに視線を向け
レオンローズ いろいろあるのね……じゃあ、ひとつはこのトッピングで頂いてもいいかしら? (店員に笑いかける)
ジョシュア …あー、じゃあ、ええと……
ジョシュア ……ふ、普通のやつは?…どれだろう
レオンローズ あら、普通のでいいの? せっかくなのに
ジョシュア ……ああ
ジョシュア ……普段はほら、インスタントをブラックでしか飲まないから…(小声で呟き
レオンローズ ふふっ、なら尚更、いろいろ飲んでみるべきよ。私こっちも気になるわ、飲み比べしましょう、ね?
レオンローズ (腕にじゃれつきながら、比較的苦めのトッピングを指差す)
ジョシュア あ、ああ……では、それを一つ…
ジョシュア ……ああ。その二つで…
レオンローズ ふふ、ありがとう。お会計は……
ジョシュア ああ、俺が(カードを出すと、さっと支払い
レオンローズ あら。ふふふ、ありがとうジョシュア (その横で、厚手の紙のカップを二人ぶん受けとる)
ジョシュア 言ったろ、お詫びだってな……さて、行こうか
レオンローズ ええ (カップをひとつジョシュアに手渡すと、早速コーヒーに口をつけ) ……ふふ、不思議な味だわ
ジョシュア ……ん、ん。味が濃いな…(受け取ったコーヒーに口をつけつつ、歩きだし

レオンローズ ふふ。どうかしら? 気に入りそう?
ジョシュア んー……ちょっと高級過ぎる味だな。
レオンローズ もう (くすくす) そんなに粗末な食生活をしてきたわけじゃ……
レオンローズ ……最近は……改善してるんだし
ジョシュア …そうだなあ、君のお陰で大分……
ジョシュア ……しかし、しみついた貧乏舌ってのは中々…
レオンローズ じゃあこれから、また長い時間をかけて矯正しないとね
ジョシュア …これからも、楽しみだな…ふふ

レオンローズ ふふ。……ところで話を蒸し返すようだけど、ジョシュアは旧式の刀に軍配があるのかしら?
ジョシュア んん……稀に驚くべき性能のものが残っている、って位でな、基本的には新新刀の方が……
レオンローズ そう……。……そういえば、ハルコタンの鍛刀技術もかなり原始的ときいたけど、切れ味はずいぶんらしいわね
ジョシュア ハルコタンか……確かに、オラクルの刀工と用いる技術が似ていて、興味深くはあったんだが
レオンローズ ふふ。ハルコタンの刀は持ったことが?
ジョシュア ……いや。第一、白の民用の刀は大きすぎてな…
レオンローズ あはは、それもそうね。レプリカなんかがあったら良いのかしら
ジョシュア まあ…そういうものなら、興味は無くもない
ジョシュア ……そういう物ばかりってのも、色気のない話だが……ふふ
レオンローズ ふふっ、そう? ジョシュアの興味があるものなんでしょう、楽しいわ
ジョシュア …君は優しいな

ジョシュア (ふと、飾り付けてあるツリーやショップを眺めて
ジョシュア レオンローズ……その
レオンローズ ? 何かしら? (ジョシュアの顔を見上げる)
ジョシュア …そろそろクリスマスだけど
ジョシュア 何かないのか……欲しいものとか
レオンローズ (ぱちぱちと瞬くと首を傾げて) ……そうねぇ……
レオンローズ …………
ジョシュア ………んん…

レオンローズ ………… (視線を上から下へと巡らせて。いよいよ唇に指を当てて考えこむ)

ジョシュア ……急すぎたか?
レオンローズ あっ、いえ、違うのよ (ぱっと顔を上げて) ……その……
ジョシュア ……まあ、焦る事はない、が……?
レオンローズ ……こ、恋人には……何をねだるべきなのかしらって……。あなたから欲しいものはいっぱいもらっているし
レオンローズ ……悔しいけど、あの……ちょっと……勉強不足ね……

ジョシュア ……く、ふっ(思わず吹き出し

ジョシュア 君は、本当に真面目だな……レオンローズ
レオンローズ えっ!? (ぼぼぼ、と顔を赤くして) ま、じめとかそういうのじゃあないのよ? だって……経験が薄いなら、その、補うしか
レオンローズ ……そういう貴方は、欲しいものがあるのかしら、ジョシュア!

ジョシュア ……ふむ(顎に手を当て
ジョシュア ………むむ…

レオンローズ ………… (じっと見守っていたが)
レオンローズ ……焦ることはないけれど……

ジョシュア ……正直
ジョシュア ……傍に君が居てくれれば、それで
ジョシュア 充分すぎる、んだが…

レオンローズ …………。……ふふ (くしゃりと、はにかむように笑い)
レオンローズ ……あの、じゃあ……お互い、それにしましょうか?
ジョシュア ……クリスマスは、一緒に居る…って?
レオンローズ ええ……その。ケーキや、チキンなんか、用意して……
ジョシュア ……いいね(こく、こくと頷いて
ジョシュア ……

ジョシュア ……一晩中?

レオンローズ あら、良いわね! ひとと夜通し過ごすなんていつぶりかしら
レオンローズ ふふ。部屋が近くて良かったわね……お酒も飲みやすいし

ジョシュア ……夜通し過ごすって言う事は
ジョシュア …訳、判ってて言ってるよな?

レオンローズ 訳? …………。……? …………

レオンローズ …………? (こて、と首を傾げ) ……24日の夜から、25日にかけてでいいのよね?
ジョシュア ……あー、えーと…
ジョシュア ……ま、いいか。その通りだ
ジョシュア 一晩中、一緒に居よう。サンタでも待ってみるか……
レオンローズ ふふふっ。嫌だわ、もう子供って歳じゃないのよ?
レオンローズ それに、サンタさんよりジョシュアの方が素敵だわ。……こうなったら、ケーキの予約と……ご馳走の手はずを整えないとね!
レオンローズ 行くわよジョシュア、シャンパンは貴方に選んでもらうわっ
ジョシュア あ、ああ……だけど俺の貧乏舌にあまり期待は……
レオンローズ 勘で選ぶのよ。あとは……ラベルの感じとか
ジョシュア いいのかそれで……!?
ジョシュア …君はたまにワイルドな所があるよな……ふふ
レオンローズ あら、そこも魅力的でしょう? (片手で温くなったコーヒーを持ちながら、もう片方の手でジョシュアの手を引き意気揚々と歩き出す)
ジョシュア それは勿論……っ、とと。焦るな焦るな…
レオンローズ 焦ってないわ、高揚しているのよ!



手を引かれるままジョシュアはレオの後に続く。表情は穏やかだ。
その眼差しの先では、ジョシュアとは対照的な、どこか幼い笑顔のレオンローズが振り返る。

そのまま二人は、雪の気配が漂い始めたショップエリアの、人混みの中に紛れていった。

  • 最終更新:2016-12-13 11:51:45

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