【log】ジョシュアとレオと05

レオンローズ  (ピンポーン
レオンローズ  ジョシュア? いるかしら?
ジョシュア   ……
ジョシュア   ……はい
ジョシュア   …やあ、お嬢さん
レオンローズ  あら、よかった。こんばんは、ジョシュア
ジョシュア   …何か?手伝うようなことでも…
レオンローズ  ああ、そうね。手伝ってもらうことかしら? (ころころ笑う) あなた、ワインは好き?
ジョシュア   …嫌いじゃないが…なぜ?
ジョシュア   …まさか、また飲みに繰り出そうっていう訳じゃ…
レオンローズ  ええ、さっき、子供たちに物を教える仕事をしてきたのだけど。院長にお礼だと大きなワインの瓶を渡されて
レオンローズ  ふふ、私一人じゃ飲めないだろうから……一緒にどうかしら、と思ってね
レオンローズ  そうね、今なら多少の料理も出すけれど
ジョシュア   (一瞬止まり)…・・別に断る理由もないが…良いのか?
レオンローズ  ? ……ああ、また俺なんかが、とか言い出すのかしら。良くないわよ、そういうの
ジョシュア   …いや、そういう訳じゃないが…
ジョシュア   …俺みたいな得体のしれない男と、二人で酒を酌み交わして良いのか、ってね
レオンローズ  得体の知れない、って……ふふっ。確かに、そうね、格好はだらしなさすぎだけれど
ジョシュア   …格好のことは、勘弁してくれ…
レオンローズ  あははっ、じゃあこれ以上の言及は避けるわ
レオンローズ  でも、得体の知れない、ってわけではないわ。……知れないところがあるなら知ってみたいし
ジョシュア   …そうしてくれると助かるね
ジョシュア   ……
レオンローズ  あなたと飲んでみたいって思うのは、変なことかしら?
ジョシュア   …奇特だな、まったく…
ジョシュア   …良いよ。付き合わせてもらおうか
ジョシュア   面白い事かは、保証しないが…
レオンローズ  ふふ、ええ。私の部屋で良いかしら? あなたの部屋は…… (ひょいっと覗き込み)
レオンローズ  ちょっとすぐ片付きそうにはないわね。あら、ドラム? あなたがやるの?
ジョシュア   …ああ、一応。
レオンローズ  ふぅん……間近で見るの初めてだわ。今度やってみても良い?
ジョシュア   …ああ、好きに触ってくれ…勝手にいじられて困るようなもんでも…
レオンローズ  (返答をきく間にも、まじまじと部屋の中を眺めている)

ジョシュア   ……
ジョシュア   …入るかい?
レオンローズ  ……え……いいの?
ジョシュア   …酒を飲むくらいの場所はある
ジョシュア   …ちょっと待っててくれ
レオンローズ  ……ふふ。じゃあその間に、お酒と料理持ってくるわ
レオンローズ  (ぱたぱたと走る音)
ジョシュア   …(なにか崩れるような音
ジョシュア   ……如何わしい物がなけりゃ、良いだろ…

レオンローズ  ……いやね。大丈夫? 手伝う?
ジョシュア   あ、い、いや…
ジョシュア   ……そっちの、準備はいいのか?
レオンローズ  煮え切らないわね……ああ、ええ。ほら
レオンローズ  (手に、大きなワインの瓶と、バスケットを持っている)
ジョシュア   …そう、か。…じゃあ、どうぞ
レオンローズ  ふふ、お邪魔するわね
ジョシュア   …ああ。(ソファの周りだけ妙に片付いている
レオンローズ  (それに気付いて、くすくす笑い。部屋の中を見渡すのをやめる)
ジョシュア   …どうぞ、ソファに
レオンローズ  ええ、ありがとう
レオンローズ  (ソファを一人ぶんのスペースを空けて座る)
ジョシュア   ……ワイングラスなんて、洒落たもんは無いんだが…
ジョシュア   (干してあるコップを二つ取り
レオンローズ  あら。あるものでいいのよ? 瓶を綺麗に開ける道具くらいはあるといいけれど
レオンローズ  (バスケットの中から、ガーリックバターを塗ったフランスパンと、クラッカー、生ハム、チーズ、トマトなどを取り出す)
ジョシュア   …コルク抜き…は…(引き出しを漁り、奥から引っ張り出す
ジョシュア   ふっ、ふっ…めったに使わないからな…(埃を吹き、さっと水で流す
レオンローズ  じゃあこれ、 (ワインを差し出し) お願いしても良いかしら?
ジョシュア   ああ。ちょっと待って(コップを二つ置くとワインを受け取り。コルクを抜くとそれぞれに注ぐ
レオンローズ  (その横で、手際よくクラッカーにチーズや生ハム、トマトを乗せている)
レオンローズ  有り合わせのものだけだけれど。味は保証するわ。私が目利きしたものだものね
ジョシュア   ……ああ、うまそうだ(言いつつ、ワインの入ったコップを持ち上げ。揺れるワインを眺める
レオンローズ  ふふ、良い色ね (倣ってコップを持ち上げると、ジョシュアの方に傾け)
レオンローズ  乾杯、ジョシュア
ジョシュア   …・ああ。乾杯、お嬢さん(小さくコップを当て
ジョシュア   …いただくよ(小さくつぶやき、ワインを一口含む
レオンローズ  (赤いワインを小さく揺らすと、ゆっくりと口に含む)


レオンローズ  ……ん……良い香り
ジョシュア   …ああ。ワインのことはよく分からないが
ジョシュア   …悪くない、匂いだ
レオンローズ  ふふっ、いつもはどんなものを飲んでいるの? この間は……ウイスキーの類いが多かったけれど
レオンローズ  (色と香りを楽しむように、ゆらゆらとコップを揺らしている。時折、口に含んで舌の上で転がし)
ジョシュア   あそこは酒場だったから、呑んだがね…一人では、あまり呑まないんだ(言いつつ、既に一杯目を飲み干している
レオンローズ  あら、どうして? お仕事の都合? (二杯目をジョシュアのコップに注いでやる)
ジョシュア   ……いくら飲んでも、なかなか酔えなくてね(レオの配慮に一つ頷きつつ、フランスパンを齧る)
ジョシュア   …酔えなきゃ、飲む必要がないだろ?
レオンローズ  ふぅん? じゃあ強いのね。そういえばびくともしてなかった気がするわ…… (すいとワインを飲み干し)
レオンローズ  でも、そうね……美味しいものなら飲みたくなるんじゃない?
ジョシュア   …そういう訳でもないさ。飲みすぎれば、身体に影響は出るしな(レオの飲みっぷりを横目で見つつ)
ジョシュア   ……美味しいもの、か…
ジョシュア   ……そもそも、そこまで酒を美味い…と思ったことがないから…
ジョシュア   …夢中になれる、うまい酒があればいいんだが
レオンローズ  ふふっ、私の美貌を溶かしこんだようなものがあれば、溺れるほど飲みたくなるかしら?
レオンローズ  (ワインをコップに注ぎつつ、ジョシュアに悪戯っぽく笑いかけ)
ジョシュア   (一瞬目を丸くするが、すぐ元の表情に)…どうかな…わからない
ジョシュア   …そうかも、しれないな(クラッカーを齧りつつ、ワインを呷る
レオンローズ  きっとそうよ、この私のように美しく味わいぶかいものならね。早々ないから、難しいでしょうけど
レオンローズ  (いつも通りの誇らしげな仕草で髪を掻き上げると、コップを揺らす)
ジョシュア   ……自分で言うかね、そこまで(ふと表情が緩み。誤魔化すように二杯目を飲み干す
レオンローズ  あら。誇れるものは誇るべきだわ。傲慢は罪だけれど、過ぎた謙遜もまた罪よ
レオンローズ  見合った主張なら、強さになるわ。この私のようにね
レオンローズ  (ワインが波打つ様にふと口許を綻ばせると、すいと一口含む)
ジョシュア   ……まったく、痛み入るね(三杯目を注ぐと、明らかに笑みをこぼす
レオンローズ  …… (その表情に、目を留め瞬く)
ジョシュア   ……何か?(視線に気が付くも、気にせずチーズとトマトの乗ったクラッカーを口に運ぶ
レオンローズ  …… (ふっと、目を細め柔らかく笑う) 何だ。笑うと可愛いのね、ジョシュア
ジョシュア   ……何を…言ってる…(レオの笑顔に気づき、視線を逸らす
レオンローズ  ふふっ、いつもそういう風にすれば……ああでも、それじゃあ仕事に支障があるんだったかしらね
レオンローズ  (チーズを乗せたクラッカーを半分に割ると、一欠けずつ口に運ぶ)
ジョシュア   ……無理だ。無理…(ワインを含みつつ、小さく呟くように)…俺は…
レオンローズ  無理って (ジョシュアの顔を覗きこむ) ……今、ちゃんと笑ったのに
ジョシュア   ……柄にもなく酔ったのか…?俺は…(レオの視線に目を合わせ
レオンローズ  (目が合うと、にこっと破顔する) あら、余程お気に召したのかしらね、このワイン
ジョシュア   ……(無言のまま、顔を撫で)…確かに、悪くはない…・が
ジョシュア   …あんたと飲んでるからか…これは?
ジョシュア   ……なんてな。らしくねえ…
レオンローズ  あら…… (じっと目を覗きこんだまま) ……そうかもしれないわね。私と一緒だと楽しいでしょうし

ジョシュア   (表情を確かめるように、再び自らの顔を撫でる)
レオンローズ  ……ふふ (顔を撫でる手を目で追う) 顔色、変わらないのね。随分飲んでいるのに
ジョシュア   ……ん(視線に気づき、手を下ろす)…あんたは、いくらか…赤くなってきたんじゃないか
レオンローズ  あら、そう? (ぺたりと、仄かに熱をもった頬に触れ) すぐ血色が良くなるのよ。物を考えるのに支障はないのだけど
レオンローズ  ……私も、今日はお酒が美味しいから……飲みすぎているのもあるかもね
ジョシュア   ……ふ。分かり易くていいじゃないか…あんたの性格と、同じく
ジョシュア   …赤ら顔のあんたも悪くない、お嬢さん
レオンローズ  ……そう (虚を突かれたように目を丸くしたあと、不自然に顔を反らし) ……口が上手になってきたわね
ジョシュア   ……思ったことを言っているだけだと、いつも…
ジョシュア   ……自分では誇るのに、言われるのは駄目なのか?…
レオンローズ  …………酔っている姿もそれは美しいと自負はしているけど……
レオンローズ  ……言われ慣れない、だけよ
レオンローズ  だって、そんなところまで誉めるひとはいないわ……そうでしょう?
ジョシュア   ……そんな事は、ないだろ
レオンローズ  あるの。もう、だって
ジョシュア   ……酔いを湛えた女が、色気を持つのは当然だ…(空になったコップに、さらにワインを注ぎ足す
レオンローズ  …… (ワインが少し残ったコップを両手で持ち、俯いて沈黙する)
レオンローズ  …………そ、う
ジョシュア   …・あんたも勿論、可憐だ
レオンローズ  …………あ、なた、って……
レオンローズ  ……ちょっと、思ったことを言い過ぎよ……
ジョシュア   ……(ワインを呷りつつ、声に反応し横目で
レオンローズ  (俯いて顔にかかる髪の間から、眉間に皺が寄った真っ赤な顔が見える)

ジョシュア   ……すまない。口が過ぎた、かな(照れるレオの様子に、思わず微笑み
レオンローズ  かっ、まわない、けれど! この私だもの、誉めすぎるくらい讃えたくなるのも当然よ…… (残りのワインをくいっと飲み干す)
ジョシュア   ……そこまで狼狽えなくても、いいだろうに(くっくっと小さく笑い
レオンローズ  狼狽えて! ないわよ! (耳まで真っ赤になりながら、きっとジョシュアを睨み)
ジョシュア   ……からかいが過ぎた。許してくれ(口で謝っているものの、口元が緩んでいる
レオンローズ  …… (ジョシュアの柔らかな表情をしばらく睨むが、何も言えず。ぷいっとそっぽを向く) ……もう!
ジョシュア   ……ふ(飲み干したコップを置き)…
ジョシュア   ……悪く、ないな…
レオンローズ  ん……ああ。やっぱり、口に合ったかしら? (ぱたぱたと手で顔を扇ぎながら) もう一杯どう?
ジョシュア   ……酒も、悪くないが…
ジョシュア   …楽しい
ジョシュア   …こんな気分に、なったのは…・
レオンローズ  ………… (扇ぐ手が止まり、真っ直ぐにジョシュアを見つめる。赤い顔もそのままに、どこか幼い調子でゆっくり笑う)
レオンローズ  ……よかった
ジョシュア   …なった、のは…(微笑むレオを見つめるが、どこか遠くを見るような目で)
レオンローズ  ……? ジョシュア?

ジョシュア   ……ズ、ク…
レオンローズ  ………… (ぱち、と一つ瞬きをするが、何も言わず)
ジョシュア   (何事か呟くと同時に、不意に唇を重ねる)
レオンローズ  (拒みもせず接近を許し、間近の顔を見つめている)
ジョシュア   …っ(縋るような口付けのまま、レオの側に体重をかけたところで止まる。ソファが軋む音を立て)
レオンローズ  (ジョシュアを見上げる瞳に、驚きと、探るような感情が揺れている。やはり何も言わないまま、ふ、と一つ息を漏らす)
ジョシュア   ……す、まな…(自分を見上げるレオに気づき、身を起こす)
ジョシュア   …俺、は…こんな、つもりじゃ…(無意識に涙が一筋落ち
レオンローズ  …………コップ……
ジョシュア   ……・コップ?
レオンローズ  ……落とさなくて、よかったわ (言いながら、持っていたコップを机に置くと、そっと涙を指で掬う)

ジョシュア   ……何で…何も、言わない…
レオンローズ  …………責めた方が良かったかしら
レオンローズ  (バスケットにかけてあったナフキンを取ると、柔らかな手付きでジョシュアの涙を拭う)
ジョシュア   ……気持ち、悪い…だろ
レオンローズ  気持ち悪い? 何が?
ジョシュア   (レオの手を払うと、両手で顔を隠すように
ジョシュア   …酒に惑って……幻を見た
レオンローズ  ……幻? (払われた手も気にしていないのか、ひらりと一つ振って膝に置く)
ジョシュア   ……少し前の…
ジョシュア   ……いや…何でもない…
レオンローズ  (片眉を釣り上げると、ソファに深く腰かける)

ジョシュア   …すまない、いい気分に水を差したな…
レオンローズ  あら、構わないわ。……そうね……変な話だけれど
レオンローズ  ……それが、あなたが自分を押し殺したがる理由なんでしょうね。分かって良かったわ
ジョシュア   ……(何も答えず、視線だけを向け
レオンローズ  (視線に応えるように小さく笑い) 私の美貌の上に幻を見るなんて、罪深いけれど。……良いわ。許してあげる
レオンローズ  ……私が許してあげるわ。ジョシュア
ジョシュア   ……そ…か(視線を外し俯くと、一つ頷き
ジョシュア   …俺のような、男が
ジョシュア   ……あんたに、触れてしまった
ジョシュア   …すまない
レオンローズ  もう、また。良いの。それを含めて許してあげると言っているのよ (すっかり片付いたつまみ類の跡をバスケットにしまいながら)

ジョシュア   ……俺は、そんなに…
ジョシュア   …そんな風に思えるほど…
ジョシュア   …取るに足らない、男か…?
レオンローズ  …… (ふと、バスケットを横に置き。ジョシュアの胸ぐらを掴んで引き寄せ、額と額をぶつけ合わせる)
ジョシュア   …・っ…
レオンローズ  ……馬鹿ね。何を弱気になっているの
レオンローズ  …………あなたが触れたかったのは、私じゃない。そうでしょう?
ジョシュア   ……
レオンローズ  私を通した、誰か。この私の美貌が霞むほどなんて、本当に腹立たしいことだけれど……
レオンローズ  ……私は、追憶を責めはしないわ。触れたいと願うことも許す
ジョシュア   ……すまない
ジョシュア   ……出来る事なら、忘れてくれ・・・
レオンローズ  ……そうね。じゃあ、今のは、忘れるわ
レオンローズ  (言うと同時に、唇の端にそっと口付ける)
ジョシュア   …っ…(唐突な行為に目を見開き
ジョシュア   …・・何故…
レオンローズ  あら。せっかく初めてキスを経験したのに、それを忘れるのでは味気ないでしょう
レオンローズ  だから、これは忘れない用
レオンローズ  (悪戯っぽく笑うと、胸ぐらを掴んでいた手を放して立ち上がる)
ジョシュア   …初めて…(口元を押さえ
ジョシュア   ……重ね重ね、すまん
レオンローズ  もう、何度謝れば気が済むの (ころころ笑いながらバスケットを片手に持ち、ワインの瓶に手をかけようとしてやめる)
レオンローズ  ……いいのよ。もうそんなことに夢を見ている歳でもないわ?
ジョシュア   ……(気まずそうにレオを見上げ
レオンローズ  ワイン、置いていくわ。あなたの方がよっぽど美味しそうに飲むみたい
レオンローズ  ……もし、そんなに悪いと思うなら……
ジョシュア   ……?
レオンローズ  今度は「私」に、触れたいと思う覚悟と度胸をつけることね (ぱちっとウインクし、部屋のドアまで歩いていく)
ジョシュア   ……・あんたって、ひとは…
レオンローズ  おやすみジョシュア。後片付け、任せるわねっ
ジョシュア   …ああ。…また、お嬢さん
レオンローズ  (明るい声音と共に手を振って、部屋を出ていく)
ジョシュア   ……(苦々しげに見送り)


ジョシュア   …は……
ジョシュア   ……シズク…


レオンローズ  …………はぁー……
レオンローズ  (閉まった自室のドアにもたれかかり、ずるずると座り込む)
レオンローズ  (しばらくそうしたあと、ふっと笑いながら首を振り、ベッドに倒れこむ)



  • 最終更新:2015-04-14 23:19:47

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