【log】ジョシュアとレイナと02

ジョシュアとレイナと(2)

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お仕事の依頼があります。
詳しくは添付の場所の喫茶店にて。

―レイナ・クカミ


短い文章。しかし、お得意様からの仕事の依頼には変わりない。
喫茶店・・・・・・待ち合わせ場所に多少引っ掛かりを感じたが、別任務終了後その足で向かうジョシュア。
入店するとすぐ、レイナの姿が目についた。


ジョシュア   「・・・えー、と・・・あぁ、クカミのお嬢さん。待たせたかな
レイナ     「あ、来ましたね。ふふ、今来たところですよ? ・・・って言うのが、お約束なのかな?
ジョシュア   「・・・そんな、色気のある話なのか?だったらもう少し、めかし込んで来るべきだったか
レイナ     「えっ!?い、いやその、そういう意図は・・・!?・・・こ、こほん。 じゃあ、行きましょう。
レイナ     「ほーら、入口で立ち話というのも何ですから、まずは中に入りましょう?
ジョシュア   「・・・ん、ああ
レイナ      (店員に人数を告げ、中に入る)


静かで穏やかな空間。清潔感のある室内には、僅かに香しい珈琲の匂いが漂っている。


ジョシュア   「・・・・・・(何となしに、辺りを見渡し
ジョシュア   「・・・着替えて来るべきだったか・・・
レイナ     「うーん・・・・奥が良いですね。 こっちです。


レイナはカジュアルながら、多少着飾った麗しい着物姿。
対するジョシュアは薄汚れた傷だらけのクローズクォーター・・・仕事着姿である。
若干気の引けているジョシュアを引きずる様に、レイナが席へ着かせる。


ジョシュア   「・・・あ、そうだ
レイナ     「はい、何かしら?
ジョシュア   「ご依頼、ありがとうございます・・・だな、まずは
レイナ     「ふふ、こちらこそ受けて貰ってありがとう。いえ、それはこれから決めてもらうのかな?
ジョシュア   「そうだな・・・まずは話を聞こう。・・・それで、今日は何を?
レイナ     「そうですね、今回の依頼はクカミからじゃなくて、私個人の依頼です。
ジョシュア   「・・・・・・ほう・・・?(足元に散らばる塵芥を申し訳なさそうに散らしつつ
レイナ     「内容はですね・・・・(たっぷり間をとって勿体ぶりつつ)
ジョシュア   「・・・・・・何だ、その間は・・・

レイナ     「今、ここでお話をしてもらうことです!
ジョシュア   「・・・は?・・・・・・・オハナシ?
レイナ     「聞こえなかったかしら?お話ですよ、お・は・な・し。 雑談とも、世間話とも言います。
ジョシュア   「あ、ああ・・・それは判るんだが?(訳が分からないといった面持ちで視線を向け
ジョシュア   「・・・なにか。・・・・・・俺にお茶の相手をしろと、そういう?
レイナ     「フフ、そうおかしな話じゃないでしょう?私も一応、こういう立場ですから。 家の外の人とお話できる機会とか、そうそうないの。
レイナ     「勿論依頼ですから、報酬は出すわ。ね? 良いでしょう?
ジョシュア   「・・・・・・それは、そうだろうが・・・その相手に、俺を選ぶのか・・・
レイナ     「フフ、あなただからこそよ? だって、面白そうじゃないですか?
ジョシュア   「言っておくが・・・・・・そういう依頼で、報酬を貰うことは出来ない
ジョシュア   「・・・俺の仕事じゃないからな、そういうのは
レイナ     「えーっ、堅いなぁ!お金出すって言ってるんだから、付き合ってくれても・・・・

ジョシュア   「・・・・・・・・・ただ
レイナ     「・・・・はい?
ジョシュア   「・・・・・・面白いかどうかは判らないが、茶の相手なら・・・しよう
ジョシュア   「・・・・・・せっかく、来たわけだし・・・そんな感じで。
レイナ     「・・・え? ジョシュア君が? 報酬も無しで?(信じられないと言った表情で目を瞬かせる)
ジョシュア   「・・・こんなのは仕事の内に入らない。・・・俺は下っ端とはいえ、アークスだからな
レイナ     「フーン・・・私てっきり、お金くれればなんでも良いのかと・・・・ (悪びれもせず言う)
ジョシュア   「・・・・・・人聞きが悪いな


なんでもやる。間違ってはいない。
ただ、レイナが楽しそうに話すのを遮ってまで反論しようとは思わなかった。


ジョシュア   「・・・まあ、どうしても報酬を出すというのなら・・・コーヒーの一杯でも恵んでやってくれ。
ジョシュア   「ご覧の通り、仕事上がりでそのまま来たんでね・・・喉がカラカラだ
レイナ     「フフっ、そんなので良いのかしら?まぁ、それはそれでジョシュア君らしいけど。
レイナ     「あっ、やっぱり心境の変化ってやつかしら?もしかして例の彼女の影響とか? まずはその話から聞こうかしらね?
ジョシュア   「・・・そんなのは・・・(若干気まずそうな表情をしつつ

レイナ     「(メニューを開き差し出して)ほら、まずは注文しないと? コーヒー一杯と言わず、お好きなものをどうぞ?
ジョシュア   「・・・ん。そうだな・・・(メニューを受け取り
ジョシュア   「・・・コーヒーに、ベイクドチーズケーキ・・・
ジョシュア   「・・・・・・俺は、これで。お嬢さんは?(メニューを返し
レイナ     「あら、ちゃんと甘いものも食べるのね? ちょっと意外かも。 私は紅茶と、フルーツタルトにしましょうかね?
レイナ     「(楽しそうに口元に手を当て笑い、店員を呼び二人分の注文を伝える)
ジョシュア   「仕事の後は、甘いものが欲しくなるのさ・・・普段はケーキなんて上等なもんは食わないよ
レイナ     「フフ、そう? でも、甘いものも良いものですよ? 彼女と出かける時も、こういうお店で頼んでみたらどうかしら?
ジョシュア   「・・・よしてくれ・・・(居心地悪そうに辺りを見渡している

ジョシュア   「・・・・・・そういえば
レイナ     「はい? どうかしました?
ジョシュア   「・・・レオお嬢さんにも、この間連れ出されてね。あっちは酒場だったが・・・
ジョシュア   「・・・・・・賑やかな店で、慣れなかったな
レイナ     「さ、酒場・・・? ちょっと、意外ですね。気品のある人だから、行くなら有名なレストランとか・・・・その辺だと、思ってましたけど。
ジョシュア   「・・・俺に気を遣ったのかもな。高級店なんか、俺が入れたモンじゃない
ジョシュア   「・・・その酒場も、そこそこ綺麗な店ではあったんだが・・・

レイナ     「(ジョシュアの格好を見て)・・・フフ、なるほどね。 あなたが他の格好してるところ、見たことないですしね・・・
レイナ     「お洒落な服とか、持ってないのかしら?
ジョシュア   「・・・・・・服?服か・・・・・・・・・コレと、部屋着・・・それと礼服位しか、持ってないな
ジョシュア   「仕事以外では、あんまり外へ出ないし・・・
レイナ     「・・・だから私と会う時はいつもソレなんですね。 部屋着って、どんなのです?
ジョシュア   「・・・ジャージ・・・普通の・・・(小声で呟くように)・・・・・・外へ出ないし・・・あまり・・・
レイナ     「ジャージ! 良いですね、ジャージ!ちょっと憧れます。 思いっきり横になってごろごろしたりするんでしょう?
レイナ     (対照的に目をきらきらさせて、嬉しそうに)
ジョシュア   「・・・え?(意外な答えに顔を上げ)ま、まあ・・・着心地は、それなりだけど・・・着古した奴だし、な・・・
ジョシュア   「・・・・・・お嬢さんは、普段からそういう・・・きっちりした着物なのか・・・?
レイナ     「当たり前でしょう? 門下生などもいますもの。 だらしない格好を見せたりしたら家の品位に関わるでしょ?
ジョシュア   「・・・なるほど・・・疲れそうだな
レイナ     「・・・・まぁ、そういう注文の時は過激な衣装も着せさせられますけど・・・・(小声で付け足す)
ジョシュア   「・・・・・・ん?
レイナ     「・・・・いえ、こっちの話です。あ、来たみたいですよ?

レイナ     (コーヒーやケーキを運んできた店員に軽く会釈し、自分の分を前に持ってきて)
ジョシュア   (注文の品を無意識に目で追い
ジョシュア   「・・・・・・ふう。良い香りがする・・・
レイナ     「こういう場所、前から誰かと来てみたいと思っていたんです。 フフ、あなたが受けてくれて良かった。
レイナ     (紅茶を優雅な仕草で一口飲み、薄く笑い)
ジョシュア   「・・・・・・もっと良い相手が居そうなもんだが(コーヒーにミルクだけ入れるとよくかき混ぜ
レイナ     「門下生なんかを誘って噂を立ててもいけませんし、適任はあなたくらいですよ

ジョシュア   「・・・・・・せめてめかし込んで来るべきだったかな、やはり
レイナ     「めかし込むと言っても、あとは部屋着と礼服だけでしょう? 喫茶店に礼服はかしこまりすぎですし・・・
ジョシュア   「そういうもんかね・・・(気まずそうに頭を掻きつつ、コーヒーを啜り)・・・ふう・・・うまい
ジョシュア   「・・・ゴテゴテの戦闘服よりはいいだろうさ。店員の目が痛いね
レイナ     「フフ、ごめんなさいね。 依頼と書いたからその格好で来たのでしょう?
ジョシュア   「・・・いや、喫茶店の時点で俺が気付けば・・・

レイナ     「でもやっぱり、1着くらい何か買っておくべきじゃないかしら? うん、そうした方が良いですよ、選んであげますから!
ジョシュア   「・・・いや、いい。いいから・・・
ジョシュア   「・・・・・・まあ、アンタみたいな変わり者に恥をかかせないように、何か持ってた方が良いのかもしれないな・・・
レイナ     「私一人では世間の流行とズレてしまうかもしれませんし、彼女も呼んで3人で選ぶのはどうかしら? フフ、我ながら良い考え!
レイナ     (話を聞かずに一人でしゃべり続け)
ジョシュア   「・・・・・・(無言で頭を抱える
レイナ     「やっぱりこの先のことも考えると、そうしておくべきですよね? そうしておくべきです。 決まりですね?
ジョシュア   「・・・・・・考えて、おく・・・よ(溜息をつきながらチーズケーキを一欠口へ運ぶ)・・・うまい・・・
レイナ     「なら、今度の依頼は決まりですね。 フフ、楽しみです。 (笑いながらタルトに手をつけ)
レイナ     「あ、美味しい。 評判でこの店にして正解でしたね。
ジョシュア   「・・・・・・最近、変わり者の依頼人が多いな・・・やれやれ・・・


あくまでマイペースなレイナに、思わず呟くジョシュア。
その呟きにレイナが反応する。


レイナ     「そうそう、それならあなたの最近のお仕事のこと、聞きたいです。
ジョシュア   「・・・・・・仕事のこと、か・・・
ジョシュア   「・・・・・・話せる範囲の、もの・・・・・・・・・・・・(考え込み
レイナ     「フフ、なんでも構いませんよ。 依頼主のプライバシーは厳守ですものね?

ジョシュア   「・・・そうだな
ジョシュア   「・・・お嬢さん、「ヴォイス」を覚えているか
レイナ     「・・・・ああ、砂漠任務の時の。結局こちらでは大した情報を掴めませんでしたが・・・・その彼がどうかしましたか?
ジョシュア   「あの後、奴から本当に依頼が来てな。
レイナ     「へぇ・・・それ、話しちゃっても良いものなんです?
ジョシュア   「・・・まあ、構わない。少しは気になる・・・だろ?
レイナ     「・・・・それは、まぁ。(視線を逸らし長い黒髪を弄る)

ジョシュア   「・・・その任務は大手企業・・・レズナー・インダストリィがスポンサーについた、本当に大口の仕事だったんだが・・・
ジョシュア   「・・・・・下層居住区に逃げ込んだターゲットを生捕るって、それだけの任務だった
レイナ     「レズナーが関わって、逃走者の捕縛?・・・・それだけの大物、ということですか?
ジョシュア   「・・・いや、ヒラの研究者一人だった。最新兵器を持ち出したらしくてな
ジョシュア   「・・・なんでも。機甲種の電脳をハックして意のままに・・・・っと・・・
ジョシュア   「・・・一応、兵器の話は極秘ってことだった。・・・・・・内緒な
レイナ     「機甲種を・・・。 フフ、了解です。聞かなかったことにしましょう。
レイナ     「それで、お仕事は成功したのですか?
ジョシュア   「・・・ああ、作業用の機甲種を少し蹴散らすくらいで、あっさり捕えられてね
ジョシュア   「・・・引き渡した後、そいつがどうなったかは判らない。それに触れるのは俺の仕事じゃないしな
レイナ     「そう・・・・。 まぁ、あなたが無事なら良かったですけど。

ジョシュア   「・・・・・・結果的に、人が一人消されたかもしれない
ジョシュア   「・・・そういう仕事も受けるんだ、俺は・・・それどころか・・・(呟きつつ、視線を逸らし
ジョシュア   「・・・いや、依頼人に話すことでもないか・・・わざわざ少ない客を減らす様な事を、告げなくてもな・・・
レイナ     「・・・・・・(それまで浮かべていた微笑が消え、無表情になり)
ジョシュア   「・・・つまらん話だった。すまない
レイナ     「・・・・生きるということは、対価が必要なことです。 差し出すのが自分でも他人でも、それは間違いではありませんよ。
レイナ     「・・・・と、私は思いますかね?(再び笑みを戻し、おどけるように)
ジョシュア   「・・・お嬢さん、あんたは・・・・・・(何か言いかけ、誤魔化すようにコーヒーを含む

レイナ     「まぁ、折角のお茶なんですから、仕事の話はこれくらいにして・・・・そうですね・・・
ジョシュア   「・・・・・・ん、ああ
レイナ     「あ、あなたの好物!今度お弁当作る時のために、知っておきたいです。 何が好きですか?
ジョシュア   「・・・・・・好物、か(普通の話題に、思わず僅かに微笑み)・・・そうだな・・・
ジョシュア   「・・・・・・普段レトルトやらデリバリーやらばかりで・・・改めて考えると…・・・
ジョシュア   「・・・・・・(考え込んでしまう
レイナ     「もう・・・そういうのは、体に悪いですよ。もっと自炊するとか・・・料理してくれる彼女を探すとか?
ジョシュア   「・・・・・・自炊はともかく・・・よしてくれ。・・・・・・ああ、でも・・・・・・お嬢さんの弁当は、美味かったな・・・何を食っても美味かった。
ジョシュア   「・・・やっぱり、お嬢様の嗜みってヤツかね
レイナ     「えっ・・・・そ、そう・・・・っ、ですか・・・?(朱に染まる頬を誤魔化すように、横を向き長い髪を弄んで)
ジョシュア   「ああいうので、クカミの跡継ぎをがっちり捕まえないといけないだろうしな・・・
レイナ     「が、がっちり・・・つかま、捕まえるって、ちょっと・・・げ、下世話ですよ!
ジョシュア   「・・・気に障ったならすまない、が・・・(僅かに笑み
レイナ     「・・・もう、なんですかそれ!何だか負けた気がして気に喰わないわ・・・

ジョシュア   「・・・お嬢さんこそ、そういうのが居ない訳ないだろうに。・・・次期クカミ当主候補、が
レイナ     「・・・・・・次期当主、か。 どうなるんでしょうね。父が勝手に決めて、そのうち連れてくるんじゃないかな?
ジョシュア   「・・・・・・ん、前時代的なんだな・・・随分
ジョシュア   「・・・・依頼主に対して、言えた事でもないが・・・
レイナ     「・・・・・・この代で途絶えてしまえば、それが一番なのに(極小さな声で呟く)

ジョシュア   「・・・悪かった。・・・ただ、お嬢さんのメシは美味い。そのメシを食い続けられる幸せな野郎が居るのか、ってな…・・・
レイナ     「・・・・急に何よ、もう!
元々、相手を選べるとは思っていませんから!
ジョシュア   「・・・・・・そういうもんなのか。勿体ないもんだ・・・・・・お嬢さんなら、いざとなれば選び放題だろうに
レイナ     「あなたは私をどうしたいんですか、全く・・・・同情やお世辞なら不要ですからね。 びっくりさせないでくださいよ、もう。
ジョシュア   「・・・俺が正直なのはもうご存知だと思うがね・・・
ジョシュア   「・・・まあ、口が過ぎたか。失礼
レイナ     「なお悪いっ!!


何だかんだと他愛もない会話を交わす二人。
ふと時計に目をやると、入店から二時間ほど経過していた。
それに気づいたレイナが若干慌てた声を上げる。


レイナ     「・・・・あれ、もうこんな時間?
ジョシュア   「・・・ん、あっという間だったな(若干温くなったコーヒーを飲み干し
レイナ     「長い間家を空けられないんですよね・・・・そろそろ、行きますね。 フフ、今日はありがとう、ジョシュア君。
ジョシュア   「・・・ああ、いや
ジョシュア   「・・・悪くなかった。報酬、ご馳走さん
レイナ     「(紅茶の最後の一口を飲み、笑って)とても楽しかったですよ。 今度はさっき言った通り、三人で・・・・ね?
ジョシュア   「・・・・・・考え、て、おく(言い含めるようゆっくり言い
ジョシュア   「・・・・・・さ、そこまで見送ろうか
レイナ     「あら、紳士ですね。 っと・・・・


会計を済ませていると、レイナの着物から写真が1枚、ジョシュアの前に落ちる。
拾い上げつつ、何となしに見るジョシュア。
道場でレイナと青年が仲良さそうに写っている。


ジョシュア   「・・・・・・
ジョシュア   「・・・・・・お嬢さん、この写真の(手渡しつつ
ジョシュア   「・・・この男は・・・?
レイナ     「えっ?・・・・・・ああ、ごめんなさい、ありがとう。フフ、色気のある仲じゃありませんよ。 ただの幼馴染です。
ジョシュア   「・・・・・・仲は、良かった・・・みたいだな
レイナ     「そうですね・・・あそこでは。1人だけ、思ったことを言える存在だった・・・・かな。
レイナ     「・・・まぁ、もうこの世にいないんですけどね。
ジョシュア   「・・・・・・知ってる(視線を落とし呟く
レイナ     「・・・・え? 何か?
ジョシュア   「・・・いや、知ってる・・・・・・・・・顔に、似てた。別人のようだ・・・
レイナ     「・・・あはは、そうですか。 でもこんな話、あなたにしても仕方ありませんよね? ごめんなさい、忘れてください。
ジョシュア   「・・・ほら、落とさないようにな(写真をぐっと握らせ
レイナ     「フフ、ありがとう。(受け取った写真を着物に戻し)

レイナ     「では、私はこれで。
ジョシュア   「・・・・・・お嬢さん
レイナ     「・・・はい?何ですか?
ジョシュア   「・・・、・・・・・・(何か言いかけ)・・・いや
ジョシュア   「・・・ご馳走さん。気を付けて
レイナ     「フフっ、変なジョシュア君ですね。それでは、また。 さっきの話、楽しみにしてますからね?
ジョシュア   「ああ・・・・・・また、な


レイナの姿が見えなくなってから、ジョシュアは再び思い出す。
写真の青年の顔は、随分前に受けた仕事での「始末対象」として見覚えのある顔だった。

そう。なんでもやる。なんでもやってきた。
それが俺の仕事だ。間違っているとは思わない。

自身に言い聞かせるように、ジョシュアは一人、ぎちりと歯噛みした。


  • 最終更新:2015-04-13 23:38:47

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