ヴォンヴィクス×ラス

ざわざわと賑わうカフェ。午後のひと時を満喫するアークスでごった返す中、不釣り合いな表情の青年がのそりと歩いてくる


ラス       あー…人多い…カプリコーンー休憩しましょう休憩ー
ヴォンヴィクス  (手に持った大きな袋を抱えなおし、あたりを見回す)これはこれは…はいはい、分かりましたよ。
ヴォンヴィクス  なかなか見事なカフェを作ったものだ……何か甘いものでも食べていきましょうか
ラス       (甘いもの、の言葉にぴくりと顔を上げ) 賛成ですー。空いてそうな場所は…(ぐるりと辺りを見回し)
ヴォンヴィクス  おや、ラスは甘いもの好きでしたっけ…?(首を傾げ、同じように空席を探す
ラス       好きですよー。この前のプリンもごちそうさまでしたー(気配を探るように上を見上げて)んー…上…ですかねー。
ラス       下は騒がしいし、テラスは明るいので嫌ですー。上行きましょう上ー
ヴォンヴィクス  あぁ、アレは期間限定にするには惜しかってですね…(ふ、と思い出したように笑い)じゃあ上に行きましょうか…階段かな
ラス       (言ってすたすたと先に歩き出す。抱えた袋を煩わしそうに持ち直して、階段を探す)
ヴォンヴィクス  (微笑み、後を追う)
ラス       …(ちら、と上を覗き込み)…ま、下よりかは静かですねー。たぶん。
ヴォンヴィクス  そうですね…(眩しそうに階段の上を見上げ)開店したばかりですから、人も多いですし…仕方ありません。行きましょうか


ゆったりとカーブする階段を上る。だんだんと人の声が遠くなり、ゆったり流れる音楽が耳に入ってきた。


ヴォンヴィクス  あぁ、少しは静かですね。よかった。
ラス       (ぐるりと見まわし、人の少なそうな奥の端の席に目を留める。あまり展望は気にしていないようだ)
ラス       あーあっちの奥の方が静かそうですねー。あの辺にしますかー
ヴォンヴィクス  (目線に気付き、そちらを向く。目を細めて)おや、そっちでいいんですか?景色はあまり見えませんが…
ヴォンヴィクス  せっかくだから、明るいところでもいいんですよ?今は。
ラス       …こんな景色見て楽しいですかー?まあカプリコーンがそっちがいいなら構いませんけどー
ヴォンヴィクス  (ちょっとぽかんとして、くすくす笑い始める)そうですね、貴方はそういう人でしたっけ。
ラス       (興味なさげにまた袋を抱え直し) 何でもいいので座りましょうー。もうそっちでいいですー
ヴォンヴィクス  (袋を持っていない方の手でポンと頭を撫で)はいはい、貴方にお任せしますよ。
ラス       (展望のいい席の方へと足を向ける。階下よりは人は少なく、幾分か落ち着いた雰囲気のようだ)
ラス       (手近な椅子に荷物を置き、さっさと腰掛ける。足をパタつかせながらメニューを開いて)
ヴォンヴィクス  まるで子供ですね……ふふ(同じように荷物を置き、メニューを開く)

ラス       何にしましょうかねー。結構いろいろありますねー(どことなく嬉しそう)
ヴォンヴィクス  どれにしましょうね…おや、ケーキだけじゃなくて、食事もあるんですか…すごいですねここは(ぺらぺらとメニューをめくる
ヴォンヴィクス  ……お酒も完備。至れり尽くせりですね…
ラス       カプリコーンお酒好きですねえ。僕は甘いものの方がいいですー
ヴォンヴィクス  そうですね、割と前から好きですよ(だが酒のページはスルーし)まだ昼ですから…紅茶に出もしましょうかね…
ラス       (手を上げ、手近な店員を呼び止める) あ、このメロンフロートでー。(ヴォンヴィクスを見て)決まりましたかー?
ヴォンヴィクス  じゃあ…アフタヌーンブレンド一つ下さい。えぇ、ホットで。(メニューを指す
ラス       (しばらくして運ばれてきた紅茶とフロートがそれぞれの前に置かれる。ラスは楽しそうにアイスをつついている)
ヴォンヴィクス  oO(緑だらけだ…)好きなんですか?メロンソーダ
ラス       んーそれなりに、ですかねー。わりと甘ければえり好みしませんよー
ヴォンヴィクス  おや、そうなんですか…ふむ(少し考え込む)
ヴォンヴィクス  そういえば、お土産に持ってったケーキやプリン、何でも喜びますね…
ラス       いつもありがとうございますー(言いながら着々と減っていくメロンソーダ)ああ、でも好きなものはありますよー
ヴォンヴィクス  へぇ?(聞く体制
ラス       (ごそごそとポケットから何かを取り出し) これですー
ラス       (顔の前にかざして見せたのは、チープなキャンディ。「いちごあじ」、と書かれている)
ヴォンヴィクス  ………それは、また(何か思うところがあるのか、一瞬眉を曇らせ)随分と…かわいい好物ですね?
ヴォンヴィクス  てっきりナウラの店のケーキとか、街の専門店のチョコかと思いましたよ
ラス       あははーそんなもの、食べなれてるわけないじゃないですかー。まあそれも好きですけどねー
ラス       僕はこれが「特別」なのでー。これが一番うれしい味、とでも言いましょうかー(ころころと手の中で弄びつつ)
ヴォンヴィクス  うれしい味、ね……(きゅっと眉根を寄せる。すぐに表情を戻し)それはまた。何か思い出でも?(紅茶を一口飲む
ヴォンヴィクス  …ふむ、美味いな…(ぼそり

ラス       えー気になりますー?珍しいですねー貴方がそんなに他人に興味持つなんてー
ラス       (アイスを一口口に運び、にこにことしている)
ヴォンヴィクス  気になる…というか、まぁ(珍しくあいまいに言葉を濁す)私はそんなに他人に無関心に見えますか?
ヴォンヴィクス  おかしいな、これでも仕事仲間はそれなりに興味を持って接しているはずなんですが…?
ラス       歯切れが悪いのも珍しい。そうですねー無関心な印象、というわけではないですがー
ラス       本当に 貴方自身が 興味を持っているのか、と感じることはありますねー
ラス       (んふふ、と笑い、ソーダをかき混ぜる)
ヴォンヴィクス  (ぴく、と紅茶を口に運ぶ手が止まる、少しうつむき、くすりと笑って、小声で)本当に、油断も隙もない…ですね
ヴォンヴィクス  それは、興味持ってますよ?(にこりと微笑む)円滑な任務遂行のためには相棒のことを知らねばなりませんからね。
ヴォンヴィクス  当たり前じゃないですか。…ねぇ?
ラス       んふふ。そうですねー。お仕事は大事ですものねー。仲間を知るのはいいことですよー
ラス       どう動いてくれるか。どう動かせるか。そう、貴方はいつも先を読むのがとても上手で感心してしまいますー
ラス       だから興味を持つのは大事ですねー。よく見ていますねー。みんなのこと
ヴォンヴィクス  珍しく褒めますね…えぇ。皆さん大変『個性的』ですから。一人くらい手綱を引く役が必要でしょう?うまく手綱を引くためには
ヴォンヴィクス  相手の思考や特徴を把握しておく必要があるじゃないですか?でないと、私が苦労するですよ(ふ、と息を吐く
ヴォンヴィクス  えぇ、本当に苦労します……
ラス       (嬉しそうにくすくすと笑い、チェリーをストローで沈める)ああ…カプリコーンですねー。貴方は本当にカプリコーンですー
ラス       星座≪ぼくたち≫をまとめるのには貴方が必要ですねー。ねえカプリコーン!(にこにことと嬉しそう)
ヴォンヴィクス  (うつむきがちに微笑み、紅茶で口元を濡らす)えぇ、そのために呼ばれて、そう造られたんですからね…私の役目、ですよ。
ヴォンヴィクス  周りを確認し、撹乱し、生き延びさせる。その為の私です。本当に、役目があって…ありがたいことですね。
ラス       (いやに晴れやかな顔で上機嫌) んふーやっぱり星座≪ぼくたち≫は今がベストなんですよーそう思いますでしょうー?
ラス       このままのみんなでいいんですー。そのために居るんですからー
ヴォンヴィクス  ベスト…ベストね。そうですね…このまま、これを保つために……(クスクスと小さく声をあげて笑う)

ヴォンヴィクス  貴方は本当に今の環境が好きなんですねぇ。
ラス       ええもちろん! まあ教会とかそーゆー場所なんてどうでもいんですけどねー
ラス       星座≪ぼくたち≫が存在していればいいのですよー。一緒じゃないと
ラス       寂しいじゃあないですかー
ラス       ね?
ヴォンヴィクス  お世話になっているんですから…一応教会は尊重してあげてください。神父様の胃にまた穴が開きますよ?
ヴォンヴィクス  寂しい、寂しいね…じゃあ、『私たち』…うーん、いや、『あの集団』であって、その中に居れれば満足と、そういうことですかね?
ラス       胃に穴ですかー…まああれが死んでも僕が居ますので大丈夫ですよー。そのためにお勉強してますしー
ラス       (カラリ、と氷を鳴らしてソーダを混ぜる。底の方で沈んだチェリーがくるくると回っていた)
ラス       (そして考える様にそれに目を落とし)んー…寂しいとかはまあ、表現の仕方ですねえー
ヴォンヴィクス  (じっと赤いチェリーを眺めている。少し楽し気)
ラス       寂しい…別に一人でも寂しくはないでしょう、僕は。いつもそうですからー
ラス       最初から、「ラス」は独りになった物につけられる名前ですしー(くるくる)
ラス       うーん…何ていうかなあ…(珍しく困ったように眉を寄せ、考えている)
ヴォンヴィクス  ほんっと、神父様が聞いたら泣きますね…(苦笑して頬杖をつき、チェリーとラスを見比べている)
ヴォンヴィクス  でも、『集団』は大事なんでしょう?それこそ、壊すものを全力で排除したがるくらい。…違いますか?
ラス       ええ、星座≪ぼくたち≫は大切で大事で特別ですー。だって特別に造られたんですもんー。僕たちは、特別なんですー
ラス       特別なので、大事なんです。そう教わったでしょー?カプリコーンも。
ラス       特別で大事だから、守らなくちゃいけないんですー
ヴォンヴィクス  特別…特別ね…そうですね。その為に造られた。私たちはそういうモノだ。個ではなく、集団の一部として、機能するように
ヴォンヴィクス  そう造られて、そのように教えられた…いや。叩きこまれた、ですかね…あぁ、覚えてますよ。忘れることなんて出来ません
ヴォンヴィクス  oO(特別だから、大事…か。単純というか純粋というか…短絡的というか。まったく可愛らしい)

ラス       (じっと覗き込む様に眼帯のない方の目を見ている。言葉が否定的ではないことに気を良くしたのか、ふ、と笑い)
ラス       そうでしょうそうでしょうー。大事なので、このままがいいのですよー。何一つ、困らないでしょう?

ヴォンヴィクス  (うーん、と考え込む)困らない…困らないね…そうですね。できれば。もう少し皆さんが協調性を持ってくれれば…
ヴォンヴィクス  もっと。困らないんですけどね?えぇ。ほんとに。全く持って……!!(真顔
ヴォンヴィクス  掃除一つだけであんなに神経すり減らすのはごめんですよ…(ハァと肩を落とす
ラス       (きょとんとした顔でヴォンヴィクスを見ている) …ああ、まあピスケスは気が短いですからねー
ヴォンヴィクス  まったく、気が短い者が多くて…アクも強いし、喧嘩っ早いし…私たちはあまり目立ったことはしてはいけないんですから(ブツブツ
ラス       んふふ、カプリコーンはいつもいつも大変そうですねー(他人事の様ににこにことメロンソーダの残りをすする)
ヴォンヴィクス  貴方もですよ?当たり前のように煽るんですから…あまりやると(ニヤッと笑う)
ヴォンヴィクス  ……ふふ。
ラス       (含みのある笑顔に少し冷や汗をかき) …良い予感はしないのでそれなりに気をつけまーす…
ヴォンヴィクス  えぇ、お願いしますね?(紅茶を飲み干す


ラス       (同じようにソーダを飲み干し、コップを置く。先ほどから机に転がったままのキャンディを一つヴォンヴィクスにはじいた)
ヴォンヴィクス  (パシッと片手で受け取り、少し寂し気にそれを眺め、懐にしまう)…ありがとう、いただきますよ…そろそろ戻りますか?
ラス       そうですねー。帰りましょうかー。荷物も多いし、片付ける時間もありますので―
ヴォンヴィクス  そうですね(傍らの荷物をひょいっと持ち上げ、ふと思いついたように)お土産…下で買っていきますか。
ラス       (荷物をまとめ、よっこいしょ、と立ち上がる。軽くのびをして伝票を持ち)あー…そうですねー。ヴァルゴとか喜びそうですねー
ヴォンヴィクス  あ…(伝票を取ろうとしたが)…じゃあ、お土産は私が買いましょう。ところでラス?
ラス       女性の好みは分からないのでお任せしますよー。…ん?なんですかー?
ヴォンヴィクス  このお店、店長は誰でしたっけ?
ラス       ……えーと…(辺りをきょろきょろ見回し)
ラス       (壁の広告に目を留め) フランカ…とか言う人ですねー。なんですか?そこまで有名でしたっけー?
ヴォンヴィクス  そう。フランカさんです。(真顔で両手を組み、肘をテーブルにつく)…フランカさんが、アークスに依頼してるのは知ってますか?
ラス       ああーよく食材がどーのこーのって募集かけてますねー。…それが何かー?
ヴォンヴィクス  そう。食材や調理道具の調達です。様々な星の原生種や、ダーカーも。……ねぇラス?
ヴォンヴィクス  ここの料理。材料、なんでしょうね……
ラス       ……ああ、なんだ。そんな事ですかー
ヴォンヴィクス  ふふ、思わず飲んでしまいましたが…これは何のお茶でしょうね……
ラス       僕だって色々惑星探索の名目で材料集めに行ってますしー。食べられるものって意外と多いんですよー
ラス       ていうかそれを言ったらこの前カプリコーンが部屋に来たときにだ……
ラス       あ
ヴォンヴィクス  え?
ラス       大丈夫です。毒は取り除けますしそもそもそう言った一癖あるものの方がおいしかったりするんですよだから大丈夫です。
ヴォンヴィクス  な、んのはなしでしょう、かね?(冷や汗だらだら)
ラス       (徐に踵を返し歩き出す)
ヴォンヴィクス  ちょっと?ラス??いったい何の話ですか?!
ヴォンヴィクス  (荷物を抱え、追いかける)
ラス       悪意はありませんー。断じて。副産物がいい感じに紅茶みたいになったのでー
ラス       悪意はありませんー
ラス       あっても
ラス       好奇心ですー!(脱兎
ヴォンヴィクス  (呆然としていたが、さっと顔を青くし、猛ダッシュで追いかける)待ちなさい!!!白状してもらいますよ……!!!

  • 最終更新:2016-04-13 00:32:37

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